TOKYO DANCE.






 11月。

いよいよ寒いですねー。
お元気ですか?


店の思い出やあれこれ、書き残そうと思いつつ、10月は記憶上書きされそうなほどの熱量の展示、その後はひたすら片付け、Daily Practice Booksでの展示と続き、10月31日に無事物件の引き渡しまで終えました。








9月30日に八雲での店舗営業を終了。
改めて、八雲への移転後2年間、店に足を運び楽しんで頂いた方に感謝します。



この2年、とにかく自分の良いと思うやり方をぶつけてやってきて、分かりやすくも易くもしたくなく、現場で待ち合わせ、出会いを楽しんできた。
こちらが意思を持って場を作れば、有難い事にそこに乗ってくる人は必ずいて、見る、とにかく見る、穴が空くくらい見る、という情熱を持って見に来てくれるお客さんが増えた。増えて、残ってくれた。


商業との関わりを持たない。業界くん集めて人気店になりたい訳じゃない。そこは自分が古物を通しても表現したいダダ的要素でもある。ひっそりと目を光らせている古物ラバー、古道具ジャンキーな人が好きで、おぉ、なんか気になる人が来たぞ。と見守り、話し、見送る。また来てくれる人がいる。それぞれのお客さんとの関係性が生まれていく。育っていく。そんな日々。その都度励まされ、満たされていました。





久しぶりになっちゃってすみません、全然来れなくてすみません、なんて言いながらも最後になっちゃっても、時間取って来てくれたり、職場からかなーり遠回りにも関わらず仕事帰りに顔出してくれたり、もうそれは気持ちでしかないんで、めちゃ嬉しかった。千葉、茨城、埼玉、愛知など遠方からも、見た方が良い気がする、見たい、って理屈じゃない動機で足を運んでくれた方々も沢山。本当にありがとうございます。
僕と同じく個人店を営むお客さんも多い。自分の店の営業の合間を縫って来てくれて、本当に嬉しい。僕1人じゃ受け止め切れないくらいの気持ちを皆から受け取りました。



そんな感じで、離れていても来店という形で物理的に距離詰めて来てくれる人もいる。週1で来る人もいる。月2は来る人がいる。時々しか来れなくても多分互いに気にかけ合ってそばにいてくれてるような距離の人もいる。顔が分かってる、名前を知ってる、手が届いてる、声が届いてるという感覚はなんとも心地良く、心強い。
2年という短い期間での閉店になったが、逆に言えば2年よく耐えたと思う。それは日頃からファンでいてくれるそんな仲間たちの存在に他ならないです。めちゃ現実的な話が、購入という形で応えてくれた人たちの気持ち、サポートによって首の皮1枚繋がってました。ありがとうございます。







閉店迫り配達も増えた。九牛の一毛、東京コンクリート砂漠の片隅、ひっそりと暮らしていたり、店を持っていたり、その場所を見せてもらえる事もこの仕事の楽しみであり好きな業務の1つ。お茶もらったり、お菓子もらったり、おにぎりもらったり、そんな心遣いも嬉しい。温かい。



最終週はほぼ毎日0時過ぎて帰宅して、落ち着いて何かを考えたり有り難さを噛み締める暇もなく、とにかく現場、自分の店に最後の最後ぐーーっとのめり込んで集中して味わって過ごした。ながーーい1日のような1週間ちょい。最後の最後、久々の方も初めての方もいつもの方も、縁を繋いでくれた方が沢山。こちらは待つしかないんで、予定を合わせて足を運んでくれる事、何回も言うけど、本当に感謝しかないです。







来ない気もしていた9月30日はするっと眼前。
いつもと変わらず車で出る。雨が降る直前のような薄暗い、でもちょっと風が心地良い天気。家の前の公園は犬の散歩やジョギングをしてる人がちらほら。土曜か。と思う。全てがゆっくりに見えて、今日の13時オープンに向けて、または21時クローズに向けて、1秒1秒進んでいるよう。

























































日付変わり10月1日、0:30頃だったか、長い1日が終わった。
音楽止めて、エアコン切って、電気消して、鍵閉めて、パーキングまで歩く。全ての動作が最後の1回だった。おつかれさんしたー。と自分に声をかける。







この店、ここでなければ、お客さんとこの距離の詰まり方をしていない。この店であったからこその関係性がある。当然全ては偶然でありながら導かれていた感じもある。限りある時間の中でやり切った。楽しみまくった。ここで繋がるべき縁は全て繋がり、ここで出会うべき人には出会い切った感覚がある。核心はいつも現場。
移転してから2年。自分なりにカッコイイと思う方へ、頭を使って考え想像し、随分お金も使ってモノを手に入れ、日々過ごしてきた。譲れない事も少なくない自分の考え方とやり方と加味してこの2年という時間が多分限度だったと思えていて、清々しく閉店を迎えている事に少しの驚きと大いなる納得。





心地良い気候になってきた中で、温かい人に囲まれて穏やかな気持ちで無事に店舗を終えられた事を喜びたい。そして、そんな人間味溢れる仲間たちを周囲に感じながら次に進める事、とても心強い。本当に幸せです。





古物稼業という目線勝負の自由業。
一層のめり込み飽き足らず深み覗き込み、自分の周囲の小さい熱い界隈賑やかしていけたらと思う。目の肥えたお客さんたちのまだ見ぬガラクタを血眼で集めたいと思う。




TOKYO DANCE.を見つけてくれて、出会ってくれて、理解してくれて、本当にありがとうございました。























TOKYO DANCE.
土居 健




November 10, 2023






コメント